新規事業が止まらなくなる最大の理由は、止める基準がないことです。成果が出ない時、人は「あと少し続ければ」と考えます。そこで、着手の前に撤退の条件を書面にしておくことをおすすめします。
書くべき項目は三つです。一つ目は期限で、たとえば検証開始から6か月以内に確認する、と日付で決めます。二つ目は指標で、継続利用率、支払い意向を示した顧客数、1件あたりの粗利など、観測できる数字を選びます。三つ目は金額で、この段階で使ってよい上限額を決めます。
基準は厳しすぎても緩すぎても機能しません。目安として、成功ラインは「経営層が追加投資に賛成できる水準」、撤退ラインは「続けても次の関門に届かないと判断できる水準」とします。その間にある場合は、条件を変えて再検証する枠を一度だけ認めます。
撤退を決めた場合も、記録を残します。何を確かめ、何がわからなかったかを一枚にまとめれば、次のテーマで同じ検証を繰り返さずに済みます。止めることは失敗ではなく、投資を守るための判断です。